ほとんどの方は創世記のアダムとイブの創造神話をご存知かと思います。林檎を食べちゃったやつですね。

しかし、ギリシア神話における人類創造の物語は、おそらくあまり知られておらず、創世記に比べて認知度が低いそうです。しかしアニメ大国ニッポンはこのギリシャ神話を題材にした超有名アニメのおかげで、「あああ!!あれか!!」という反応を見られることでしょう。特に30代〜40代男性にかけては、、、。

それではギリシャ神話の創造の物語を紐解いていきましょう。

一番始めに、男性と女性は同時に創造されることはありませんでした。

男性は女性が創造される以前から存在し、年齢とともに退化していきました。さらに、最初の女性「パンドラ」の創造は、神から人間への賜物ではなく、罰であったとされます。

これはギリシャの詩人、ヘーシオドスの詩に記録されており、この紀元前8世紀頃に作成された人類創造のギリシア神話『仕事と日』には、5つの年代(世代?)があるとされます。

これらの最初の世代は、男性が不滅でオリンポスに住んでいたゴールド・エイジ(黄金時代)でした。彼らは金で出来ており、神のように生きていました。この世代が終わると、人は人を見守る良い霊となりました。次の時代はシルバー・エイジ(銀の世代)で、男性は銀で出来ており、その時代にもオリンポスに住んでいました。しかし、彼らはもはや不滅ではありませんでした。

次の2つの年代は青銅時代と英雄時代でした。前者では、男性は青銅製であり、後者では、ギリシア神話の英雄によって、人々は地球に住んで(住まわせて)いました。この両方の世代は絶え間ない戦争によって終わらせられました。現在である最後の世代は、男性はすべての人生を苦労して苦しむ、鉄の時代です。

星○も大変だったんだね、、。

チャールズアメデーフィリップ・ヴァン・ルー(オリンポスのギリシャ神「ガニメデの誘導」ウィキメディア・コモンズ

ヘーシオドスの作品の神話は時系列的には完全には整理されていないため、人類の時代を描くことは難しいとされています。しかし、パンドラの物語は、”メコネ”から始まり、銀の世代の後に置かれるとされる物語を持つ、「タイタンプロメテウスの物語」と複雑に結び付けられるとされています。

ゼウスが人間と神を区別しようと考えた際、彼はその役割を自分に任せて欲しいと懇願し了承を得た。プロメテウスは大きな牛を殺して二つに分け、一方は肉と内臓を食べられない皮で包み(肉と内臓を胃袋で包み皮の上に置いたとも)、もう一方は骨の周りに脂身を巻きつけて美味しそうに見せた。

そして彼はゼウスを呼ぶと、どちらかを神々の取り分として選ぶよう求めた。プロメーテウスはゼウスが美味しそうに見える脂身に巻かれた骨を選び、人間の取り分が美味しくて栄養のある肉や内臓になるように計画していた。ゼウスは騙されて脂身に包まれた骨を選んでしまい、怒って人類から火を取り上げた(ただし『神統記』ではゼウスはプロメーテウスの考えを見抜き、不死の神々にふさわしい腐る事のない骨を選んだことになっている)。

この時から人間は、肉や内臓のように死ねばすぐに腐ってなくなってしまう運命を持つようになった。

プロメテウスの火

ゼウスはさらに人類から火を取り上げたが、プロメテウスは、自然界の猛威や寒さに怯える人類を哀れみ、人類は火があれば、暖をとることもでき、調理も出来ると考え、ヘーパイストスの作業場の炉の中にオオウイキョウを入れて点火し(太陽の戦車の車輪から火を採ったともいわれる)、それを地上に持って来て人類に「火」を渡した。火を使えるようになった人類は、そこから生まれる文明をも手に入れた一方、製鉄の発展などにより兵器を用いた争いの原因ともなった。

その行いに怒ったゼウスは、権力の神クラトスと暴力の神ビアーに命じてプロメテウスをカウカーソス山の山頂に張り付けにさせ、生きながらにして毎日肝臓を鷲についばまれる責め苦を強いた。プロメーテウスは不死であるため、彼の肝臓は夜中に再生し、のちにヘラクレスにより解放されるまで拷問が行われていた。その刑期は三万年だった(ただし刑期については諸説ある)。

「ゼウスがテティスと結婚すると父より優れた子が生まれ、ウラノスがクロノスに、クロノスがゼウスに追われたように、ゼウスも追われることとなる」という情報を知っており、それを教える事を交換条件として解放されたという説もあるが、逆にプロメテウスは横暴なゼウスに屈しないがために、たとえそれが交換条件になろうとも教えなかったと言われている。

不死の者がプロメテウスのために不死を捨てると申し出ない限り解放されない筈だったが、毒矢に当たって苦しむが不死故に死ねずにいたケイローンが不死を放棄したためヘラクレスによって解放された。

また、プロメーテウスの不死は、ケイローンがゼウスに頼んでプロメーテウスに譲ったものともされるが、これはヘーラクレースによる解放後とされており、時期が合わない。

(「火を運ぶプロメテウス」ウィキメディア・コモンズ

パンドラの贈り物

プロメテウスが天界から火を盗んで人類に与えた事に怒ったゼウスは、人類に災いをもたらすために「女性」というものを作るようにヘーパイストスに命令したという。

ヘーシオドス『仕事と日』によればヘーパイストスは泥から彼女の形をつくり、神々は彼女にあらゆる贈り物(=パンドーラー)を与えた。アテナからは機織や女のすべき仕事の能力を、アプロディーテーからは男を苦悩させる魅力を、ヘルメースからは犬のように恥知らずで狡猾な心を与えられた。そして、神々は最後に彼女に決して開けてはいけないと言い含めてピトス(「甕」の意だが後代に「箱」といわれるようになる。)を持たせ、プロメーテウスの弟であるエピメーテウスの元へ送り込んだ。

美しいパンドラを見たエピメーテウスは、プロメテウスの「ゼウスからの贈り物は受け取るな」という忠告にもかかわらず、彼女と結婚した。そして、ある日パンドラは好奇心に負けて甕を開いてしまう。すると、そこから様々な災い(エリスやニュクスの子供たち、疫病、悲嘆、欠乏、犯罪などなど)が飛び出した。しかし、「ἐλπίς」(エルピス)のみは縁の下に残って出て行かず、パンドラはその甕を閉めてしまった。

こうして世界には災厄が満ち人々は苦しむことになった。ヘーシオドスは、「かくてゼウスの御心からは逃れがたし」という難解な言葉をもってこの話を締めくくる。因みに、最初の女性であるパンドラが人類に災厄をもたらしたという神話が作られたのは、ヘーシオドスが徹底した女嫌いだったためとされる。ヘーシオドスは『神統記』においてもパンドラについて触れ、神々からつかわされた女というものがいかに男たちの災いとなっているか熱弁している。

バブリウス『寓話』は、これとは違った物語を説く。パンドラは神々からの祝福が詰まった箱を与えられる。しかしエピメーテウスがこの箱を開けてしまう。祝福は飛び去ってしまったが、ただエルピスだけは残って「逃げてしまった良きものを我々に約束した」という。

パンドーラーはその後、エピメーテウスと、娘ピュラーと、ピュラーと結婚したデウカリオーンと共に大洪水を生き残り、デウカリオーンとピュラーはギリシア人の祖といわれるヘレーンをもうけた。

 

出典:WikiPedia-